よくある質問

交通事故でお悩みで初めての方へのご案内
  1. 交通事故について,どのようなタイミングで弁護士へ相談した方がよいですか。相談の内容や状況によりますが、主なタイミングとしては、以下の4つがあります。
  2. 交通事故の被害者として,損害賠償請求を行う場合,どのような損害の項目について請求を行うことができますか。
  3. 相手方保険会社から,そろそろ症状固定のタイミングであると言われましたが,「症状固定」とは何ですか。
  4. 相手方保険会社から提示された示談金額についての妥当性を知りたいのですが,教えてもらえますか。また,示談書にサインをしてしまった場合はどうですか。
  5. 交通事故における後遺障害とは,どのようなものでしょうか。誰が認定を行うのでしょうか。
  6. 交通事故によって,被害者が死亡してしまった場合,誰が損害賠償の請求を行うことになるのでしょうか。
  7. 交通事故によって,頭部などに傷害を負い被害者の意識が戻らない場合など,誰が損害賠償請求を行うことになるのでしょうか。
  8. 専業主婦などの,家事従事者の場合,休業損害や逸失利益は認められるのでしょうか。また,基礎収入はどのように考えることになるのでしょうか。
  9. 被害者が入院した場合,被害者の親族などの付添いの費用は認められますか。
  10. 相手方,保険会社から,こちらにも過失割合3割程度あるとの話をされましたが,過失割合とはどういうものでしょうか。
  11. 被害者が寝たきりや体調不良で,本人が法律事務所へ相談に行くことが出来ません。本人の代理で,親族などが相談を受けることができますか。
  12. 交通事故においても労災保険を利用することはできますか。任意保険ではなく,労災保険を利用した方が有利な場合はありますか。

交通事故について,どのようなタイミングで弁護士へ相談した方がよいですか。相談の内容や状況によりますが、主なタイミングとしては、以下の4つがあります。

 

・事故直後

交通事故では、医療費の支払いや示談交渉、実況見分の立会いなどが発生します。こういった事柄に対して、総合的な観点からアドバイスを受けたいのであれば、事故直後に相談すべきです。特に被害者が重症を負った人身事故の場合は、早急に相談するのが望ましいでしょう。

 

・ケガの治療を継続しているとき

治療中は保険会社からの治療費支払いが打ち切られることがあり、弁護士に相談すべきタイミングといえます。

 

・ケガの治療が終わったとき

ケガの治療が一旦終了したとしても、後遺障害認定の手続きがあります。後遺障害認定は手続きの進め方によって、より有利な等級で認定される可能性が高まります。弁護士に相談するには適したタイミングです。

 

・後遺障害認定に不満があるとき

タイミングとしてはやや遅いといえます。なぜなら、後遺障害認定の結果を覆すのは、弁護士であっても容易ではないからです。

 

以上のことから、

「法的な手続きのトータルサポートを受けたい⇒事故直後」

「後遺障害認定に関する手続きを依頼したい⇒治療中~治療直後」

が良いタイミングとして考えられます。

 

 

交通事故の被害者として,損害賠償請求を行う場合,どのような損害の項目について請求を行うことができますか。

 

交通事故の損害賠償請求は、以下のような項目で請求するのが通例です。

 

・治療費…治療が始まった時点から治癒、または病状が固定された時点までの費用。

・通院交通費…治療の終了時点までにかかった交通費。ただし、公共交通機関や自家用車を利用した場合の実費相当額。

 

・付添看護費…被害者が重症、もしくは被害者が子供である場合に発生する付添看護に対する費用。近親者では日額4100円(任意保険基準)から6500円(民事裁判基準)程度が相場といわれています。

 

・障害慰謝料…ケガの程度、入通院の期間、通院頻度から計算した慰謝料。入院1か月+通院半年の場合は、80万円(任意保険基準)~150万円(民事裁判基準)が相場といわれています。

 

・休業損害…交通事故によるケガで仕事を休み、減った収入に対する慰謝料。1日当たりの収入を計算し、これに日数をかけて算出します。1日あたりの収入については、5700円以上と考えて良いでしょう。

 

・入院雑費…交通事故によるケガが原因で入院した場合、雑費を請求できます。ただし、厳密に計算するわけではなく、固定費として1日あたり1100円(任意保険基準)~1500円(民事裁判基準)で計算されます。

 

・後遺障害慰謝料…後遺障害がのこったばあいに、障害の程度に応じて請求できる慰謝料です。治療とは別で請求でき、後遺障害等級に応じた金額(任意保険基準と民事裁判基準のどちらか高いほう)が認められます。

 

・逸失利益…後遺障害によって発生した減収分に対する慰謝料です。こちらは、「健康ならば、将来にかけて稼げていたであろう金額」を補填するものと考えてください。具体的には、「基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」という計算式を用いて算出されます。

 

慰謝料請求においては「任意保険基準」と「民事裁判基準」で金額が大きく変わることを覚えておいてください。

 

 

相手方保険会社から,そろそろ症状固定のタイミングであると言われましたが,「症状固定」とは何ですか。

 

ごく簡単に言えば「治療がひと段落し、これ以上良くも悪くもならない状態」です。

通院や投薬、リハビリで多少は回復するものの、時間がたつとまた少し悪くなる、といった状況が症状固定として扱われます。ただし、これは医学的な意味での症状固定です。

保険会社は、「治療費の支払いを打ち切るタイミング」として症状固定を使ってきます。交通事故の損害賠償は、大きく「障害部分(症状固定前)」と「後遺障害部分(病状固定後)」に分類されます。つまり保険会社の言う症状固定のタイミングとは、「治療費の支払いを打ち切って後遺障害認定に移りたい」という意味と考えて良いでしょう。

 

 

相手方保険会社から提示された示談金額についての妥当性を知りたいのですが,教えてもらえますか。また,示談書にサインをしてしまった場合はどうですか。

 

示談金額の妥当性については、提示された金額がどの基準を採用しているかが重要です。保険会社は、自賠責保険の基準で、安い金額を提示してくることが多いです。しかし、弁護士の視点では、やや妥当性に欠ける金額かもしれません。ぜひ弁護士に相談してみましょう。

また、示談書にサインしてしまうと、くつがえすのは難しくなります。監禁や脅迫にサインさせられたような場合以外は、示談が成立したものと考えられるからです。これについても、弁護士に直接相談するのが望ましいでしょう。

 

 

交通事故における後遺障害とは,どのようなものでしょうか。誰が認定を行うのでしょうか。

 

後遺障害は、交通事故で被害者が受けた精神的・肉体的な障害(ケガ)が、治療後も残ってしまうことに対し、一定の等級が認定されたものです。将来的に回復が見込めない障害が対象になります。また、後遺障害の認定を行っているのは、損保会社が加盟している「損害保険料率算出機構」です。この組織は、「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づいて2002年に設立されました。現在、日本国内ではただひとつ、各種保険料の料率を計算している団体です。

もう少し詳しくいうと、損害保険料率算出機構のなかの「自賠責損害調査事務所」が認定をします。ただし、JAなどは例外で、独自の調査機関が認定を行っています。

交通事故によって,被害者が死亡してしまった場合,誰が損害賠償の請求を行うことになるのでしょうか。

 

基本的には遺族が請求を行います。具体的には、相続人(配偶者、子供、父母、兄弟)です。相続人は、被相続人(亡くなった方)の権利義務関係を引き継ぐため、損害賠償請求権もこの対象になる、という考え方です。また、損害賠償請求権には「被害者本人の損害賠償請求権」と「遺族に対する損害賠償請求権」があります。そのため、被害者が死亡して遺族が損害賠償請求を行う場合、この2つを含んだものになることが通常です。

 

 

交通事故によって,頭部などに傷害を負い被害者の意識が戻らない場合など,誰が損害賠償請求を行うことになるのでしょうか。

 

結論から言うと、成年後見人が行います。そのため、成年後見人の選任が必要です。この成年後見人には家族や親類でも良いのですが、裁判所から専門的な法律の知識を持った人間を求められる可能性があります。つまり、弁護士ですね。損害賠償請求の金額がおおきくなるごとにこの傾向は強まるといえるでしょう。

 

 

専業主婦などの,家事従事者の場合,休業損害や逸失利益は認められるのでしょうか。また,基礎収入はどのように考えることになるのでしょうか。

 

専業主婦であっても、休業損害や逸失利益は認められます。また、基礎収入については、会社員であれば直近3ヶ月の平均給与から、個人事業主であれば前年の確定申告から1日あたりの収入を算出します。ただし、専業主婦(夫)の場合にはこれら収入を証明できる書類がないため、一律5700円で計算するのが通例です。

 

 

被害者が入院した場合,被害者の親族などの付添いの費用は認められますか。

 

場合によりますが、認められます。被害者が重傷であったり、幼い子供であったりする場合です。また、付添看護費用については、任意保険基準で1日あたり「4100円」、民事裁判基準では1日あたり「6500円」となっています。

 

相手方,保険会社から,こちらにも過失割合3割程度あるとの話をされましたが,過失割合とはどういうものでしょうか。

 

交通事故は「どちらか一方が100%悪い」という判断のほうが稀です。かならず被害者、加害者それぞれに、結果に対する責任があると判断されます。過失割合とは、この責任の割合のことです。例えば過失割合が、被害者:加害者で3:7の場合は、被害者側にも3割ほど責任があるよ、ということです。また、過失割合は損害賠償金に関係があり、たとえ被害者であっても、過失割合が大きいほど損害賠償金が減額される傾向にあります。

 

被害者が寝たきりや体調不良で,本人が法律事務所へ相談に行くことが出来ません。本人の代理で,親族などが相談を受けることができますか。

 

勿論可能です。ただし、本人の意識がはっきりしている場合、最終的には弁護士との契約時に、本人との面談が必要です。交通事故に強い弁護士であれば、自宅や施設、病院などへ出張して面談してくれるはずなので、ぜひ気軽に相談してみてください。

 

 

交通事故においても労災保険を利用することはできますか。任意保険ではなく,労災保険を利用した方が有利な場合はありますか。

 

交通事故が、通勤中や仕事中に怒ったのであれば、労災保険を利用できる可能性が高いです。また、任意保険と労災保険のどちらを利用すべきかは、ケースバイケースです。

 

ちなみに、労災保険のメリットとしては、

 

・自賠責や任意保険と異なり、支払額に限度がない

・過失相殺がない(被害者に過失があっても給付金が減額されない)

・後遺障害認定の等級が認定されやすい

 

といったものが挙げられます。ただし、休業補償の金額は、任意保険のほうが高めです。自営業で休業補償を受ける場合などは、注意すべきですね。